乳がん宣告の日③~夕飯を食べに行く、その夜
クリニックを出て、車に戻ると17時半頃になっていました。
私も夫も気分がどんよりしていたので、そのまま帰宅する気持ちになれなかったのか、
本当は今日午前に検査結果を聞いた後に娘と行く予定だったショッピングモールに、夕飯を食べに行くことにしました。
娘は今日はもう行けないと思っていたので、大喜びです。
ショッピングセンターでは、最近よくやってしまうプリキュアのガチャガチャやら、おもちゃコーナーやら娘の好きなコースで歩きました。
生きるか死ぬかのがんではないとわかっていながら、
急に、がん患者になってしまった…。
という、ショックがやはりありました。
昨日まで、ごく普通の人だったのに…。 (がんと知らないだけですが…)
すれ違う人を見て、あの人はがんじゃないんだろうな…。
とか、いろんなことを考えてしまっていました。
いつもと違った景色に見えるというのはこういうことなのかと思いました。
ぶらぶら歩いた後、なんとなく身体に良さそうな和食のお店へ入ります。
夫と娘が隣に座り、私は向かいに座ったのですが、2人が楽しそうに話したりくっついたりしている姿を見て、
この2人を悲しませてはいけないなぁ…と、ふと思ったりしました。
家族がいて幸せだなぁ、よかったなぁと、改めて思ったりしました。
そして思わず、「撮っていい?」と携帯で2人の写真を撮りました。
後々、この写真を撮った時の気持ちは忘れることはないと思います。
忘れてはいけない、忘れたくないので、急に写真を撮りたくなったのかもしれません。
この状況をわかっているせいなのか、いい子過ぎるほどいい子でにこにこご機嫌な娘と、
普段以上に優しく接してくれる夫との時間は、とても穏やかでした。
私は魚の定食にしたのですが、昼ご飯を抜いたにも関わらず、半分ほどしか食べられませんでした。でもおいしく食べられました。
家に帰って準備をして、娘を寝かしている時、夫も一緒に寝てしまいました。
いつも娘の寝かしつけで一緒に寝てしまうのでいつも通りなのですが、
今日は一人になると急に不安を感じました。
涙が出てきたので、急いで別室に行き、思いきり泣きました…。
がん宣告された帰り道、娘がいるからと泣くのをこらえたので、思いきり泣きたかったのかもしれません。
しばらく泣くとすっきりして、2人がいる寝室に戻り、横になりました。
精神的な疲れと、検査の身体的な疲れもあったので、すぐに眠ることができました。